こんにちは、鳥類園アルバイトの市村です。
8月15日(火)の朝、出勤時に道を歩いていると…ベチョッとしたものが飛び散っているではありませんか!。轢かれてしまったのでしょうか。
皆さんはこの生きものを見たことはありますか?コウガイビルの1種、オオミスジコウガイビルです。
(ひがた・たんぼ倶楽部で見つけたオオミスジコウガイビル 2023年6月17日)
コウガイビル…ビル…ヒル?…血を吸うの!?と思った方もいるでしょう。ご安心ください。まったく別の生きもので、プラナリアの仲間です。肉食性で血は吸いませんのでご安心を。
オオミスジコウガイビルは主にミミズを捕食しますが、その捕食方法がとっても面白いんです!。まず口は頭ではなくお腹にあるんですよ。そして、体全体で巻きつき、咽頭(いわゆる口)をお腹から出し、エサを溶かしながら食べてしまいます。
なが~い体を使って巻き付いていきます(上記の子とは別の個体)
私は大学、大学院とコウガイビルについて調べていますが、行き詰まっていたときに、巨大化したオオミスジコウガイビルに人が巻きつかれている夢を見てしまいました(ここでポイントなのが、巻きつかれているのは私ではないことです)。
コウガイビルが活発になるのは雨上がりの夜中です!最近は台風で雨がよく降っているため見つけやすいかも知れませんね。日中は落ち葉の下や朽木の中、植木鉢の下などでじっとしていますよ。
見つけたらじーっとその奇妙な動きを観察してみてください。私としては波打つ頭を見て欲しいです!コウガイビル好き界隈(?)では、シワや眼点(点のような目がたくさんあります)なども推しポイントです。
ちなみに、プラナリアの仲間なので切れても再生する能力を持っています。そのため、もしかしたら、今回見つけた個体も再生し、増えるかもしれませんね(切れてそのまま溶けて死んでしまうことも)。
小さな切れ端(6月17日の個体)を落ち葉とともに放置していたら、いつの間にか再生していました。
⚠見た目による同定です。オオミスジコウガイビルは線の入り方で見た目から見分けがつきますが、コウガイビルの正確な同定は生殖器を見る必要があります。