みなさま、今までの人生で一度ならず二度、三度だまされた経験があると思います。でも、「昆虫」にだまされた経験がある方はどれくらいいらっしゃいますか?
山本正臣先生と実施している「鳥類園昆虫調査」の最中、私達はだまされてしまいました。まずは、下の写真をよーく見てください。枝に化けている昆虫が見つかります。

(2009.4.22 シャクトリガの幼虫 ウォッチングセンター園路 撮影:大原)
見つかりましたか?そうです。上の枝が正解です。枝に見えるのは、「擬態」しているシャクトリガの幼虫です。敵から身を守るためとはいえ、その技は一級品。お見事、だまされた~。
「あれ、そんなことで驚くの?」と思われましたか?じつは、このシャクトリガ、この枝に化ける前までは別の場所にいたんです。その場所とは、なんと、クモの糸。そう、ぶら下がっていたのです。
私達がクモの糸にぶら下がる「この枝」を見たとき、「すごいな、クモの糸の力は」と感心し、山本さんはこの枝に触れました。そしたら・・・枝ではなく、幼虫だったんです。この瞬間の話は、
山本さんのブログで紹介されています。
でも、驚いたのはこれだけではありません。このシャクトリガ、山本さんに調べて頂いたところトビモンオオエダシャクの幼虫と判明したのですが、成虫とは以前の調査で出逢っていたのです。成虫もなかなかの「擬態」をしていました。(大原)